本書は現在までのところ詳述されることのなかったカレンシーボード制につき英国圏で採用され始めたその歴史から書き起こし、次に香港ドルの歴史から、現在の通貨システムの採用と今後の展望にまでふれている。
普段通貨金融に親しんでいないとややわかりにくい記述も少なくないが、人民元の陰に隠れてはいるもののその重要性が指摘される香港ドルとその通貨システムにつきこれほどの良書を私は知らない。 カレンシーボードの教科書近年、さまざまな国際金融システムが議論されている中で、注目を集めているものの一つである、カレンシーボード制についての、歴史、理論、実証による考察。 ひじょうに、アカデミックな内容ではあるが、 国際金融の最先端を覗き見る事ができる。